2021年11月20日土曜日

精油のブレンドを考える本 libri per farti il tuo aroma

精油のブレンドについて、おすすめの本など

タイトルをクリックするとamazonの商品詳細のページにリンクしています。


・精油のブレンドを学ぶ

実践的なブレンドの手順やテクニック、レシピを学ぶ本

アネルズあづさの精油ブレンドバイブルアネルズあづさ, 河出書房新書, 2016


掲載されている精油の数は少なめですが厳選されていて、植物の写真がとてもきれい!

アロマテラピーを楽しむための精油のブレンドの基本が丁寧にわかりやすく書かれています。


Perfumes, Cosmetics and Soaps: Volume II 9th edition, W.A. Poucher, 2012


初版は1923年と古い本ですが、2012年にアップデートされた第9版です。
この本では100段階に分けた香りを3つのノートに分類しています。
著者のウィリアム・アーサー・ポーチャーはとても多才なんですね。山岳写真家でもあり、彼の山岳写真集やガイドブックは現在も入手可能です。

そして! vol.2 では精油や香料と石けんについてくわしく書かれています。

各精油や香料は石けんに向くのか、変色するのか、など。これほどわかりやすく、石けんと精油の関係が書かれた本は他ではあまりないのではないかと思います。

収録されたレシピには、合成香料も含まれますがアレンジして精油で再現することもできそうです。

この本については個人的におもしろい発見があったので、またいずれ紹介させてください。


手作りの自然香水ハンドブック―アロマテラピーで香りを楽しむ

フレート・ヴォグナー他著 林真一郎監修(2003)

精油を使った調香的なアプローチを知るのにおすすめの本です。

なじみのあるアロマテラピーの本とは違った視点での精油や香りのとらえ方が興味深い。

ヨーロッパの本で時々見かける風・火・土・水の四大要素による分類についても言及されていておもしろい。ちょっと錬金術的な。

絶版ですが手頃な古本が手に入るようなので、在庫のあるうちに入手するのがおすすめです。


アロマテラピーの精油でつくる自然香水

クリシー・ワイルドウッド著 高山林太郎訳(1996)


発行年が少し古い本ですが、今読みなおすとその古さが心地よい。
懐かしい空気や最近の本にはない勢いを感じ、精油で良い香りをブレンドすることがますます愛おしくなります。

魅惑的な香水のレシピが、詳しいブレンドの手順とともに紹介されています。

文章や表現もおもしろく、おすすめの1冊です。


・アロマテラピー以外のジャンルから香りを考える

料理に役立つ 香りと食材の組み立て方: 香りの性質・メカニズムから、その抽出法、調理法、レシピ開発まで

市村 真納, 横田 渉, 誠文堂新光社, 2020


ぜひ、リンク先に飛んで試し読みしていただきたいです。

著者のおひとりはアロマセラピストで、料理に香りを活かすこと、組み合わせや取り入れかたを化学的な観点も含めて具体的に紹介しています。

香りと食材、組み合わせやバランスについて、それから香りの抽出についても参考になります。

実際作ってみたいものから妄想で満足するものまで、とてもおいしそう!


ワインを楽しむ58のアロマガイド

ミカエル・モワッセフ、ピエール・カザマヨール著 剣持春夫監修, 2012

花やハーブ、スパイスなど精油でおなじみの香りを、ワインのプロはどう表現するのでしょう。香りの基本知識やワインの特徴を表す58種類の香りが詳しく解説されています。

ワインのアロマを表現する言葉はいろいろとおもしろいですね。

香りの表現のための共通言語や香りの捉えかたの大切さがよくわかります。


・香りを言葉で表現するために

精油のブレンドをするには、香りのイメージを言葉で表現することが大切です。

香りを言葉と結びつけて記憶に留め、データとして自分の中にファイルすると、精油のブレンドの際にイメージとぴったりの香りを選び出せるようになるのではないかと思います。

豊かに香りを表現するために、おすすめの本です。


言葉にして伝える技術――ソムリエの表現力 田崎真也, 祥伝社新書, 2010


ふだん耳にする陳腐な表現にむっとすることがあるかたは、大きく頷きながら読むのではないかな。
言葉で伝えることの大切さや表現力について、香りのプロならではの言語化する力を鍛える方法が紹介されています。


調香師が語る香料植物の図鑑 

レデ・ゴズラン, グザビエ・フェルナンデス ,  前田 久仁子訳, 2013


調香師の語る植物や香りについての言葉が格好いい。

教室で紹介すると購入するかたが多く、手に取ってぱらぱらとページをめくると欲しくなってしまう魅力的な本です。

香料植物が美しい写真とともに紹介されています。

神話、歴史についても触れられていてインスピレーションの源。


他、調香師が語る香り

香水─香りの秘密と調香師の技 ジャン・クロード・エレナ
調香師日記 ジャン・クロード・エレナ

エルメスの調香師による創作の日々や香りについて



調香師の手帖 香りの世界をさぐる 中村祥二

資生堂の調香師による香りについてのさまざまなお話



・ブレンドを化学的に考える

『アロマテラピーを学ぶためのやさしい精油化学』E. ジョイ・ボウルズ, 熊谷千津訳 (2002)


アロマテラピーに必要な有機化学の基本が紹介されています。

官能基によるグループごとの成分の特徴がわかりやすくまとまっていて、ブレンドを考えるさいの参考になります。


前記事『精油を知る本』で紹介した本も。

「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで』平山 令明 講談社 (2017)

科学者ならではの整然とした表現がいい。

特に、第11章の「快い香りの秘密」が香りのノートの分類についてとても参考になります。


精油(エッセンシャルオイル)の化学』 デイビッド・G・ウィリアムズ

フレグランスジャーナル社(2000)

有機化学の基礎や精油の化学的な解説が詳しく、精油の揮発性や保留性を考えるうえでも勉強になります。


ビジュアルガイド精油の化学2 日本の精油と世界の精油:日本の香り、世界の希少な香り、芳香蒸留水の香り 』長嶋司 フレグランスジャーナル社(2021) 


精油の成分と蒸気圧について詳しく、香りの持続性、ノートの捉えかたの一つとして参考になります。
日本の香りについてまとめて読めるのも嬉しいですね。


・香りのイメージを広げる本

知ることで香りのイメージを広げ、ブレンドの幅を広げる本です。





学名の語源を知ることで、香りのイメージが喚起されたり、またイメージする香りにしっくりくる植物が見つかったり、とブレンドの際にとても役に立ちます。
教室を開催されている方には、ちょっとしたネタも拾える点もおすすめです。

ラテン語に興味があるかたや語源フェチのかたにも、もちろん!


香りのイメージを広げるために、よろしければこちらの記事もご覧ください。

聖書の植物 botanici in bibbia

クリスマスやイースターなどの祝祭をモチーフに、聖書の植物からインスパイアされるレシピや香りのブレンドなどもすてきだと思います。

花言葉はロマンティックなメッセージでもあり、昔から人々が植物に対してどう感じていたのかを伺い知ることができる言葉でもありますね。


トップの写真に写り込んでいる音符が見えますか? 

これはピエッスの香階です。

19世紀の調香師ピエッスは、トップノート、ミドルノートなどの香りの揮発速度による分類「ノート」を考案したことで知られています。

香りと音 gamut of odors di Piesse』の記事でも紹介した、

The Art of Perfumery, and the Methode of obtaining the Odors of Plants

 George William Septimus Piesse, 1867


この本にはいくつかの版があり、香階が紹介されているのはこちらの版です。

1857年版は香階についての記述はありませんが手に入りやすく、プロジェクト・グーテンベルグのサイトやamazon の kindle版は無料で読むことができます。

無料のkindle版は、こちら

The Art of Perfumery, and Methods of Obtaining the Odors of Plants

1857年版も、古典的な香水やコスメティックなど手作りコスメ的に再現できそうな処方が多数記載されていて、19世紀に思いを馳せつつ好奇心を満足させてくれます。

古書探訪 vol.1』の記事ではこの本に収録されたオーデコロンのレシピを再現して紹介しています。


2021年11月2日火曜日

Día de Muertos メキシコの死者の日

 ディア・デ・ムエルトス、メキシコの死者の日をモチーフに

Sapone "la calendola" 


オリーブオイル
カレンデュラ浸出マカダミアナッツオイル
ココナツオイル
パームオイル
コーパル浸出ホホバオイル

水分の一部にテキーラ

精油
オレンジ・スイート、イランイラン、ジュニパーベリー、
シダーウッド・テキサス、マスティック


カレンデュラ、コーパル、テキーラ…死者の日の供物にちなんだ素材を使っています。

石けんの色に合わせて、オレンジ色を連想させる花と果実に少しの渋みと神秘的な樹脂の香りが漂います。

2021年8月24日火曜日

藍と薄荷  tranquillo

 インディゴパウダーとメンソールクリスタルを使った涼しげな石けん


sapone "Tranquillo"

オリーブオイル
米油
ごま油
ひまし油
ホホバオイル
ココナツオイル
パーム油

メンソールクリスタル
インディゴパウダー
竹炭
二酸化チタン

シンプルなデザインと香りで2種類。
静かな海辺の雰囲気で、ほどよく落ち着いたミンティーな香りと、穏やかでハーバルな香り。




グラデーションなし

ペパーミント
パインニードル
コーンミント
シダーウッド・アトラス


グラデーションあり

セージ
ローズマリー
アミリス


グラデーションありの石けんの香りは、ブレンドしたてのシャープでくせのある印象からは想像がつかない、まろやかな緑色を連想させるやさしい香草の香りです。
そんな香りの変化も楽しい。



2021年8月17日火曜日

精油を知る本  le mie Bibbie degli oli essenziali

 精油に関する本を紹介します。

タイトルは amazon の詳細ページにリンクしています。



・精油の成分を知りたいときに

"Aromatherapy: Essential Oils in Colour",  Rosemary Caddy, Amberwood Publishing Ltd, 1997

大まかな精油の成分を知りたいときに。

成分と効能をグラフで表していてビジュアルで確認できます。コンパクトで見やすくおすすめです。

取り上げられた精油は90種類。

少なめですが厳選されたラインナップです。

日本語版は

カラーグラフでわかる エッセンシャルオイルの特性と使い方』

川口 健夫訳 フレグランスジャーナル社(1999)


原書、日本語版ともに絶版のようですがプレミア価格もつかずお買い得です。気になるかたは古本が流通している内にぜひ。


ビジュアルガイド精油の化学: イラストで学ぶエッセンシャルオイルのサイエンス

長嶋司 フレグランスジャーナル社(2012)

精油の成分とその特徴を知りたいときに。

各成分の説明も詳しく、構造がイラストで載っているのもポイントです。

続編の『ビジュアルガイド精油の化学2 日本の精油と世界の精油:日本の香り、世界の希少な香り、芳香蒸留水の香り 』(2021) では、香りの強さや持続性についても詳しく書かれているようで、手にするのが楽しみです。


400種類!の精油と206種類の成分のプロフィール。安全性ほか、さまざまな情報が網羅されています。

子版 のサンプルでかなりのページが読めます。サンプルだけでもかなりの情報量です。

 →"Essential oil safety"  子版 

日本語版は

『精油の安全性ガイド 第2版 』林 真一郎監修, 池田 朗子訳

フレグランスジャーナル社 (2018)



・精油の辞典 

最新4訂版 アロマテラピー図鑑 』佐々木薫監修 主婦の友社 (2019)


シンプルで読みやすい。

記載されている「相性のよい精油」はブレンドに迷ったときの参考になります。


アロマテラピー精油事典』バーグ文子 成美堂出版(2016)

150種類の精油をカバーしていて、知りたい精油のほとんどが取り上げられています。

香りの系統ごとに精油が載っていて調べやすい。

似ている精油の違いがわかりやすい点もおすすめです。刺繍の植物イラストもすてき。


アロマテラピーの教科書』和田文緒 新星出版(2008)

たくさんの事柄がぎゅっと詰まった宝箱のような本です。学名の読みかたまで!

各精油の「どんなときに選ぶ?」の記述が好きです。具体的な説明にうなずきながら、すっと腑に落ちる精油が選べます。


・精油の化学

化学の基礎があると精油について納得して理解できることが増えそうです。

一歩踏み込んで精油を知りたいときにおすすめの本です。


まるわかり!基礎化学』松岡雅忠ほか 南山堂(2012)


精油や石けんの化学を理解する前段階の基礎知識を学び直すのにぴったりの本です。
大人が化学をおさらいするのに程よいボリューム。

化学に疎いわたしでもこの本でおさらいしたおかげで、これまで流し読んでいた精油の成分や化学についての記述を立体的に読めるようになりました!


精油(エッセンシャルオイル)の化学』デイビッド・G・ウィリアムズ

フレグランスジャーナル社(2000)

有機化学の基礎、精油の科学的、薬学的な観点での解説書。

他の本では触れられていない興味深い記載もあり、高価な本ですが手元に置いておきたい1冊です。


「香り」の科学 匂いの正体からその効能まで』平山 令明 講談社 (2017)


アロマテラピー関連の書籍とは違った視線から「香り」を知るために。

香りを科学的に捉えた本です。読み物としてもおもしろい。

新書版なので持ち歩きやすいのもいいですね。

化学の基礎があると一層楽しみが深まるのではないかと思います。わたしは上で紹介した「まるわかり!基礎化学」でおさらいしてから読み直しました。


香りは直接触れるのも楽しいですし、本を読んで知識を深めるのも楽しいですね。

2021年6月2日水曜日

マンドルラ Latte di Mandorla

 アーモンドミルクの石けん


マンドルラ Sapone al Latte di Mandorla


オリーブオイル
スイートアーモンドオイル
ひまし油
ココナツオイル
パームオイル

アーモンドミルク*

ココアパウダー
大麦若葉パウダー

精油
マートル・モロッコ、ベルガモット、シダーウッド、カルダモン、パチュリ

*アーモンドミルクの作り方は、こちらの記事で紹介しています





手に取って感じるのは、いろいろな香りがゆったりと調和した穏やかな香り。
泡立てると渋みのグリーン・ウッディ調の香りが広がります。
地中海沿いのどこか、小さな町のイメージです。



2021年1月29日金曜日

古書探訪 vol.4

 寄稿したテキストを加筆修正、再掲します。

“Project Gutenberg” (プロジェクト・グーテンベルク)のサイトから手作り石けん愛好家の皆さんにおすすめの古書を紹介するコラム全5回の連載を担当しました。

テキスト中のタイトルをクリックすると、プロジェクト・グーテンベルクのサイト内の電子書籍をブラウザ上で閲覧できます。

プロジェクト・グーテンベルクについての紹介記事は "古書探訪 はじまり" をご覧ください。

vol. 4
ハタヤ商会 AYA


最終回なので、これまで紹介しきれなかった本をまとめて紹介します。


『花言葉』ケイト・グリーナウェイ
Language of Flowers”  Kate Greenaway, George Routledge and Sons (1884)

『花言葉』より、中扉
グリーナウェイの描くビクトリアンスタイルに
当時の人々は夢中になったそうです。

イギリスのヴィクトリア朝時代の花言葉集です。
ノスタルジックな挿絵や装飾が麗しい。


『花言葉』より
帽子にデコレーションしているのは白いばらでしょうか。
白いばらの花言葉は「わたしは、あなたにふさわしい」 

そう思って眺めると絵の印象が変わりますね

ばらの花言葉が34個ずらりと並んでいたり、「わたしの解毒剤」「早く取り付けて」「美しいなんて呼ばないで」など、どんなシチュエーションで使うのか想像するのも楽しい不思議な花言葉も登場したり(どの花か探してみてくださいね!)…
のんびり眺めるのにおすすめの1冊です。


『女王の愉しみ もしくはフルーツの保存法、香水の作り方と上等な芳香水の蒸留法』
作者不詳
Anonymous, E. Tyler, and R. Holt(1671)

これはまた長いタイトル! 
17世紀イギリスの婦人向け実用書です。
ハーブやフルーツを使った料理やハウスキーピング、化粧水、クリームなどのコスメティックスのレシピなど生活全般の知恵がたくさん。
350年前の人々も現代のわたしたちと同じようなことをしていたのですね。
当時の著名人が考案、愛用していたレシピや再現できそうなレシピも多数。「ラズベリーのワイン」は作りやすくて、とってもおいしかったです。


『ハーバル 近代植物学の起源と進化』アニエス・アーバー

近代ヨーロッパの本草学史、植物学史の文献と著者を紹介した本です。
収録されている豊富なイラストレーションがすばらしく、古い時代のラテン語のフォントや木版画による植物画などとても格好いい。

“PIONIA” ピオニー、牡丹です。
このデフォルメされた線の愛らしさ!

ちょっと不気味な伝説上の植物画も好奇心を刺激します。大好きな1冊です。

“MANDRAGORA”
マンドレイク(マンドラゴラ)は引き抜くときに悲鳴を上げ
聞いてしまうと死に至ると信じられていました。


古書探訪、ひとまずお仕舞いにいたします。
皆さんも本とのすてきな出逢いを!


初出  "soapy soaping vol.5" 2020年6月20日発行

芥子 l' oppio

 この花の花言葉、


妄想、怠惰、忘却、眠り、

それから、わたしに毒。

l'opium 芥子

椿油、ごま油、米油、パーム油、ココナツ油、

パーム核油、メドウフォーム種子核油

精油
ジュニパーベリーCO2、ベルガモットBF、クラリセージ、
ゼラニウム・ブルボン、コニャック、
サンダルウッド・マイソール、パチュリ

ブルーポピーシード

軽い酩酊をもたらすような
陶酔感のある香り

時には、自堕落な快楽に耽る妄想
に耽るのもいいかも。


Ça vous permet d'absorber le plaisir décadant,
sans Opium.

これ、は入っていませんが


Sans Actinidia, aussi...

またたび、も入っていませんが


きっと、虜。

旧ブログ『ハタヤ商会の手作り石けん』2011年9月30日より転載

昔の記事ですが好きな石けんなので。
この石けんを作ったときに前記事 古書探訪 vol.2 で紹介した “Les fleurs animées - Tome 1” の芥子を思い出していたような気がします。