ベルガモットの絞首刑
le pendu 吊された男、絞首刑という意味もある名まえのリキュールの作りかた。
お酒を入れた瓶に果物を吊るして香りを移します。
浸していないので、できあがった液体はクリアです。
とても香り高く限りなく透明に近い、不思議ですてきな飲み物ができあがります。
以前にオレンジで作ったところ、コアントローやグランマルニエのかわりに使えるくらい芳醇な香りのリキュールにしあがりました。
果皮のフレッシュで繊細な印象がそのまま溶け込んだような、すばらしい芳香です。
ですから、いつか大好きな香りがするベルガモット果実が手に入ったら作りたいと思っていました。
ベルガモット 1個
40度のウォッカ 500ml
1
ベルガモットをよく洗って水分をふきとり、糸をとおす。
2
清潔な瓶にウォッカを注ぐ。
ベルガモットを液面の2ー3センチ上に吊り下がるように糸を調整する。
2日目
瓶からかすかに甘い香りがします
揮発したアルコールが芳香を抱えこんでいるのでしょうか
10日目
果実の色が少し抜けてきて、液体の底には薄い黄色の層が見られます
3
光の当たらない場所で2ヶ月静置。ベルガモットは少しづつ色が白っぽくなってしぼみ、ウォッカはうすく黄色に色づいてくる。
4
蓋を開けて、じゅうぶん香りが移っていたら完成。
清潔な瓶に移す。
お酒は40度のウォッカ、スミノフを使いました。
ウォッカのほかに、35度以上の果実酒用のアルコールや、ブランデー、ラムなど40−50度のアルコールが合うようです。砂糖を入れるレシピが多いようですが、アレンジしやすいように省きました。甘い酒はあまり飲みませんしね。
瓶は、セラーメイト取手付密封びん の2ℓサイズを使いました。
このシリーズの瓶はデザインもよく、パーツを簡単にばらばらにできて清潔を保ちやすいし、パーツを買い足せるので長く愛用しています。
フレッシュなハーブをこの抽出法で試すのもおもしろそうです。
飲み物として楽しむ以外にも、よい使いかたがあるのではないかと想像しています。
参考
『リキュール・デュ・パンデュ、オレンジのリキュール』marie-claire のサイト
『吊されたベルガモットのリキュール』ベルギーのSyll氏のサイト
『果物を愉しむ100の方法―お菓子とリキュールと保存食』福田里香著
"Patricia Wells at Home in Provence" Patricia Wells
果物を愉しむ100の方法は、情報量がとても多い。
レシピは難しいもの、気軽に試せそうなもの、いろいろ。
エッセイも写真も、とてもすてきです。果物好きのかたは、ぜひ。
"Patricia Wells at Home in Provence"は、英語で書かれたプロバンスの料理書。
しゃれた食材の組み合わせや扱いかたが楽しい。収録されたレシピは175!!
フランス語を読むのがめんどうなかたのために。"Patricia Wells at Home in Provence" Patricia Wells
果物を愉しむ100の方法は、情報量がとても多い。
レシピは難しいもの、気軽に試せそうなもの、いろいろ。
エッセイも写真も、とてもすてきです。果物好きのかたは、ぜひ。
"Patricia Wells at Home in Provence"は、英語で書かれたプロバンスの料理書。
しゃれた食材の組み合わせや扱いかたが楽しい。収録されたレシピは175!!
参照サイトのレシピを簡単に記します。
レシピや手順が少しづつ違います。好みで調整してください。
『リキュール・デュ・パンデュ、オレンジのリキュール』marie-claire
ノエルや新年に、クローブ、ブランデー、オレンジと砂糖を使ったリキュール・デュ・パンデュ
材料
オレンジ 1個
砂糖 400g
ブランデー 500ml
クローブ 6本
1.
よく洗って拭いたオレンジに穴を開けてクローブを刺す。
2.
1リットル容量の密封できる瓶にブランデーと砂糖を入れる。
3.
オレンジを薄いガーゼなどにのせて、液面の2センチ上に吊す。ガーゼの端はゴムで固定して蓋をする。または、串を下図のように刺し、串に糸をくくって吊す。
4.
蓋を閉め、光を避けて涼しい場所に静置。3週間後、オレンジがしんなりしたら取り出して、リキュールを瓶に詰めて完成。
『吊されたベルガモットのリキュール』by Syll
彼のレシピを見ていると、好みが合いそう!と感じる記述が多く参考にしやすいのです。
Syll氏は『オレンジに生のローズマリー1枝』のルパンデュのレシピも紹介しています。→★
材料
ベルガモット 1個
50度のホワイトラム(ほかウォッカ、果実酒用のアルコールなど) 1ℓ
砂糖 大さじ3 (好みで増減)
1.
洗ってよく乾かしたベルガモットの上と下に楊枝で2か所ずつ穴をあけて、糸を通す。
液面の2−3センチ上に吊るすように固定する。
2.
蓋を閉め、暖かい窓際などに2ヶ月静置。
だんだんベルガモットがしわしわに。お酒は少し黄色くなり、芳香成分が溶け込んでくる。
3.
蓋を開けて砂糖を加えたら、さらに15日寝かせて完成。
途中、蓋を開けたい誘惑にかられるのですが、香気を余すところなく封じ込めるために、忍耐強く待つのです。
できあがりが楽しみ!